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予言の誘惑と愛のあるイメージ

 

探し物があってクローゼットをあさっていたら、2011年に使っていたノートがふと出て来ました。日々気になった事をビジュアルや言葉などイロイロとノートに蓄積しているのですが、今回その古いノートに、震災後わずか10日後に鏡リュウジ先生がブログに書いていた文章がコピーされていました。その内容は今読んでも感慨深く、改めて読みいってしまいました。タイトルは「予言の誘惑にたいして そして占星術の効用」。鏡先生は、震災が起きた時の星回りのいくつかの例を挙げ、”占星術の上ではいくらでも意味付けをすることができる”が、こんな事が起こる事を自分は想像をしていなかった、と書かれていました。

 

”星の意味を「象徴」のレベルで、つまり、いま起きていることを星のイメージと重ね合わせて語ることはできても、具体的なかたちの「予言」などはできないというのがぼくのスタンスです”

 

”星の言葉やイメージといった、豊かな道具を使って、今の出来事を別な視点から解釈しなおしリフレームするための手段なのです”

 

鏡先生が、日本の星の友人達と呼ぶ(素敵‥!)石井ゆかりさんNOT FOR SALEのSugerさんの星の解釈についても、”星からの視点の提供であって決して具体的な予言ではない。けれど実に豊かな星のイメージの解釈があって、「いま」を別の角度から見るためのヒントが隠されているようにぼくにはおもえます。”と書かれていました。

”どんなものにも、光りと影がある。とくに強く人の心を動かす題材はユングでいえば「元型的」であるといえますし、” ”占星術やそれに類することにかかわるぼくたちは、みな「予言」という元型の影響下にあるといえます。そしてその元型は人を動かす力をもつ。”

 

これを読み、以前、石井ゆかりさんが何処かで書いていた内容のことを、ふと思い出しました。(探したのですが、ソースが見つからず‥。うろ覚えで申し訳ないです。)その内容は確か、占い師の弟子が、誰かの死を占う事を人に依頼されるお話の引用でした。確か、依頼内容は「病気の〇〇はいつ死ぬのか?」といったような内容だったと思います。そして、彼は占い、具体的な日を伝え、その通り、その人がその日に死にます。占い師の師匠は弟子に言います、「君がそう言ったからそうなった」と。そして石井さんはこのお話の中に出て来る師匠が弟子に言った事の意味を、自分は大切に考えて行きたい、と書いていたと記憶しています。

 

それは、先日読んだ「アイディアが生まれる、一歩手前のだいじな話」の中で森本千絵さんが書かれていた言葉とも、もしかしたら繋がっているのかもしれません。

“怖いと思った瞬間の視覚的なものや音は、怖いという感情が無くなっても、細胞の奥の方にその恐いという感覚が残るそうです。目で見るもの、手で触るものというのは確実に身体の中に入っていく。そう考えると、メディアというのは良くも悪くも人を精神的に追いつめる力があるという事。だからイヤな思いがずっと細胞に残る様な仕事は、いくら格好良くても、それがいくらアートでも、私はやらないと決めたんです。”

 

「予言」や「占星術」や「メディア」だけに限らず、私たちの周りにある、ありとあらゆるものすべてが、思考や思想や人生観、世界観に強く影響を与え合っているといるのだと思います。
生きるということを肯定的に描くのか、それとも否定的に描くのか。

 

その人がその人である、という事をどう捉えるのか。

 

そして、それぞれの人生の主導権を、誰が持つのか。

 

個人の思考と世界観が、内と外の世界を作っているのだとしたら、愛のあるイマジネーションとインスピレーションを選んでゆきたいなと、改めてそんなことを思いました。

”ぼくたちは「予言」の影の面への誘惑に打ち勝ちつつ、それでもなお、星のシンボルを通していまを別の角度から読み解き、賢くそのアートを使っていかなければならないと思っています。”

 

 

 

星占いのしくみ 運勢の「いい」「悪い」はどうやって決まるのか (平凡社新書)
▶鏡リュウジ先生と石井ゆかりさんの共作。占いだけに限らず、あらゆる物事の「いい」「悪い」に振り回されないための1冊。

 

アイデアが生まれる、一歩手前のだいじな話
▶ アートディレクターで有名な森本千絵さんの制作秘話が読める貴重な1冊

 

 

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